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任意整理中に弁護士から辞退された場合

任意整理中にもかかわらず、弁護士から辞退されたら、どうしたらいいのでしょうか。実は辞退されたタイミングによって対処法が違うのはご存じでしょうか。ここではタイミングごとの対処方法について紹介します。また、新たに弁護士に依頼する場合のポイントも、辞任される原因と対策をおさらいしながら解説します。

辞退されても別の弁護士へ依頼可能

任意整理中、何らかの理由で弁護士に辞退された場合、債権者(貸した側)は今まで止めていた電話や手紙での催促を再開します。自分が引き継いで和解交渉を進めることはできますが、知識や経験がなければ交渉に応じてさえくれないことも。交渉できたとしても、弁護士に依頼した場合と同等条件での和解は難しいでしょう。
任意整理の途中で弁護士に辞退されても、別の弁護士へ再度依頼することは可能です。しかしながら、状況によっては断られてしまう可能性もあるので注意してください。

辞退されたタイミング別の今後の動き

弁護士が辞退したタイミングによって、その後の動きが変わるので、それぞれどのように対処するか説明します。

債権者との和解前

債権者と和解する前に弁護士に辞任された場合は、「一括返済」の状態になっています。債権者からの督促状や電話が再開され、一括返済を要求されます。自分で債権者と交渉しても、取り合ってくれない可能性が高いため、別の弁護士を探して債務整理を依頼して解決しなければなりません。
弁護士を探すのが難しい場合には、無料相談をしてくれる弁護士事務所に相談してみましょう。

債権者との和解後

債権者との和解が成立し、返済を再開した後に弁護士が辞任した場合には、債権者への返済も2ヶ月以上滞っていることがあります。依頼していた弁護士事務所を通して返済していた場合には、債権者への返済がどのくらい遅れているか確認しましょう。
任意整理では、返済が2ヶ月遅れると一括返済になるケースがほとんど。2ヶ月延滞しているなら、別の弁護士を探して再和解の依頼をします。
返済の遅れが2ヶ月分以内に留まっているなら、弁護士への再依頼はせず、和解契約通りの返済を自分で続けていくこともできます。

新しい弁護士に依頼する前に辞任される原因と対策をおさらい

別の弁護士を探すにしても、辞任された原因を知り対策をしなければ再度辞任されることもあり得ます。辞任される原因をまとめたので、よく確認しておきましょう。

返済や弁護士費用を滞納した

弁護士に辞任される原因で最も多いのが、返済や弁護士費用の滞納です。任意整理で和解成立すると返済が始まります。1ヶ月の遅延なら通常は待ってもらえますが、2ヶ月延滞すると辞任の可能性が高くなります。なぜなら、返済が2ヶ月遅れると一括返済を請求されてしまうからです。
また弁護士費用を滞納すると、事案処理を遂行できなくなるため、2ヶ月以上遅延すると辞任される原因となります。

連絡をとらなかった

弁護士に任意整理を依頼したといっても、債権者との和解交渉において、弁護士は依頼人の意向をその都度確認しなければなりません。弁護士事務所からの電話に出ず、折り返しの電話もしない、手紙が送られてきたのに返信や電話などの対応をしないという場合、弁護士は和解交渉を進めることができないため、辞任せざるを得なくなります。

書類を用意しなかった

債務整理には、依頼人本人が準備すべき書類があります。弁護士から指示があったにも関わらず、書類を準備せずに放置すると、弁護士は和解交渉や手続きを進めることができません。
何度も催促されたのに書類を準備しなければ、弁護士は辞任する可能性があります。

アドバイスを無視した

債務整理で依頼を受けたものの、調査の結果、借金額が大きいことがわかった場合、弁護士に個人再生か自己破産をすすめられることがあります。専門家として、解決するにはそれしかないというアドバイスをしたにもかかわらず、依頼者が頑なに任意整理にこだわるなど、アドバイスを無視する場合は、弁護士としては責任を持って解決できないため辞任することとなります。

新しい弁護士に依頼するときのポイント

一度辞任された後、新しい弁護士に依頼するのは難しいこともあります。別の弁護士に依頼する際のポイントを紹介します。

辞任されたことを正直に話す

借金に対して正直に話すことはもちろんですが、債務整理中に弁護士に辞任されたことも隠さずに話しましょう。依頼を引き受けてもらいたいために、隠したい気持ちはわかりますが、いずれわかってしまうことなので、隠さない方が賢明です。嘘を言って後からわかってしまうと、不信感から断られてしまうかもしれません。

連絡はこまめに行う

弁護士に依頼したといっても、任せきりで和解が成立する訳ではありません。債権者との和解交渉で、依頼者の意向を確かめる必要があることがあるため、弁護士との連絡は密に行いましょう。電話にでられなかった場合には、必ずかけ直して要件を確認してください。メールやFAXなど別の方法でも良いので、必ず折り返しましょう。

あらかじめ無理のない支払い方法にする

弁護士に依頼すると、依頼費用がかかります。また和解契約後は債権者への支払いも生じます。どちらも支払いが滞ると、再度弁護士に辞任されてしまうことになるため、あらかじめ無理のない支払い方法を相談しましょう。
弁護士費用は、原則としてすべて支払い終わるまで債権者との交渉を開始できないことになっているため、できるだけ早く支払える範囲で無理のない方法を考えましょう。

まとめ

債務整理中に弁護士に辞任された場合には、速やかに新たな弁護士を探しましょう。放置すると債権者から裁判を起こされて、財産を差し押さえられることになるため、できるだけ早急に新しい弁護士を見つけて解決に取り組みましょう。

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