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任意整理としばしば混同されやすいのが個人再生です。任意整理と個人再生は似ているようでさまざまな違いがあるため、自分に合った方法を選ぶことが大切。ここでは、任意整理と個人再生の違いについて見ていきましょう。
混同されがちな任意整理と個人再生ですが、両者の間には代表的な違いが5点あります。これらの点を把握しておくと、任意整理と個人再生のどちらを選べばいいか決める際の目安になるので、しっかり覚えておきましょう。
| 比較項目 | 任意整理 | 個人再生 |
|---|---|---|
| 減額される内容 | 将来利息のカット(元本は減らない) | 元本を1/5〜1/10に大幅カット |
| 手続きの方法 | 債権者と直接交渉(裁判所なし) | 裁判所を通す厳格な手続き |
| 返済期間 | 原則3年〜5年(最大60回分割) | 原則3年(最長5年まで延長可) |
| 整理する借金の選択 | 自由に選べる(保証人付き等を外せる) | 選べない(すべての借金が対象) |
| 周囲への影響 | 官報に載らない(家族に秘密にしやすい) | 官報に載る(同居家族にはほぼバレる) |
| 財産(家・車) | ローン中の財産を除外すれば残せる | 住宅ローン特則で家を残せる(車は回収リスクあり) |
任意整理と個人再生の最も大きな違いは、「借金がどれくらい減るか」という減額の幅です。
任意整理は、原則としてこれから支払う予定だった「将来利息」や「遅延損害金」をカットしてもらい、元本(借りた金額そのもの)を3〜5年かけて分割返済していく手続きです。そのため、元本自体が減ることは原則としてありません。
対して、個人再生は裁判所の認可を得ることで、借金の元本そのものを大幅に減額できるのが特徴です。借金総額によって減額の割合は異なりますが、元本を原則5分の1から最大10分の1まで減らすことができます。
任意整理と個人再生の大きな違いのひとつは、直接のやりとりか、裁判所に行くことになるかという点です。
任意整理は利息や遅延損害金をカットすることで、月々の返済額を減らすという手法です。まず、相談者が司法書士や弁護士といった専門家に任意整理を依頼します。相談を受けた司法書士や弁護士は、相談者に対して取り立てを行っている貸金業者と交渉して利息のカットや減額を行います。
対して、個人再生の場合は裁判所を介することで、住宅ローン以外の借金を減額し、借金を原則として3年間で返済するための計画を立てます。借金の大元を大幅に減額することができるのが特徴で、この手続きを行うためには裁判所の許可が必要です。
任意整理と個人再生では、返済期間も異なってきます。任意再生の場合は、ケースにもよりますが、おおむね3~5年が主な返済期間となります。任意整理では、この期間で無理なく返済できるように返済プランを立案していくのです。なお、分割回数は最大で60回が目安となっています。
対して、任意整理の返済期間でも借金返済が難しいと判断された場合は個人再生を選ぶことになります。個人再生の返済期間は、原則として3年と定められています。
ただし、特別な事情(病気や一時的な収入減少など)があり、3年での完済が難しいと裁判所に認められた場合は、最長5年まで返済期間を延長してもらうことも可能です。
任意整理と個人再生の費用は、個人再生のほうが大幅に大きくなります。任意整理の費用は、弁護士や司法書士といった専門家へ支払う依頼料です。その金額はおおむね、安い場合で2~3万円、一般的には4~5万円ほどかかります。
対して、個人再生の場合は30~50万円ほどの費用が必要となります。さらに、自宅を維持したい場合は住宅ローン特則という制度を利用することになり、その場合は追加で5~10万円ほどの費用が必要です。
任意整理の場合、手続き後に信用情報機関(ブラックリスト)に事故情報が掲載されます。掲載期間は「完済から約5年間」です。また、裁判所を通さないため、国の機関紙である「官報」に名前が載ることはありません。
対して、個人再生の場合も同様に信用情報機関に事故情報が掲載されます。以前は一部の機関で10年間掲載されていましたが、現在は任意整理と同じく「原則5年間」に統一されています。
ただし、個人再生は裁判所を通す手続きであるため、国が発行する「官報」に氏名や住所が掲載されるという明確な違いがあります(※一般の人が目にする機会は滅多にありません)。
また、手続きの過程で同居家族の収入証明を求められることが多いため、家族に内緒で進めるのは極めて困難です。
個人の事情や希望によって、任意整理と個人再生のどちらが適しているかは変わってきます。ここでは、どのような人が、任意整理と個人再生のどちらに向いているかを見ていきましょう。
家族に知られずに借金の軽減をしたい人は、任意整理がおすすめです。個人再生は「民事再生法」という法律に基づいた裁判手続きであり、手続きを行うためには家計収支を証明するための資料提出が求められます。そのため、必然的に個人再生を行うと家族に知られてしまうのです。ちなみに、自己破産の場合も同じです。裁判手続きなので家計収入を証明するための資料提出が求められるので、家族に内緒で手続きを行うことはできません。
対して、任意整理ならほとんどの場合、債権者に対して資料の提出が求められることはありません。そのため、家族に内緒で手続きしたい場合は、任意整理のほうがおすすめです。
人によっては仕事や育児が忙しく、何回も事務所や役所に足を運べないという場合もあるでしょう。そうした人にも任意整理がおすすめです。
裁判所などの役所を通した法律手続きの多くは、話し合いや書類提出のために何度も出向かなくてはいけません。しかし、任意整理なら債務者と債権者が直接話し合いを行うという流れなので、通常は話し合い1回のみで終了となります。
これに対して、個人再生は裁判所が絡むこともあり、手続きは複雑かつ厳格なものです。そのため、裁判所はもとより、事務所にも何回も足を運ぶ必要があります。また、大量の書類を揃える必要もあるので、個人再生は任意整理と比べて、非常に手間がかかる手続きなのです。
一口に「債権者」と言っても、車のローンや住宅ローン、または友人知人からの借り入れなど、その種類はさまざまです。そうした債権者の中から除外したいものがある場合には、任意整理が適しています。任意整理なら、対象とする債権者を選んで、必要のない債権者は除外することができるからです。
対して、個人再生の場合は債権者を選ぶことはできません。例外として、住宅ローンは外せることもありますが、それ以外の車のローンや保証人付きの借金などは基本的にすべて対象となります。
基本的には、まず任意整理を考えましょう。任意整理が何らかの事情で難しい場合に個人再生を行うことになります。
基本的に、個人再生は債権者が任意整理に応じてくれない場合に行われます。任意整理を希望していても、取引期間が短いなどといった理由で債権者が応じてくれない場合は任意整理ができません。任意整理は、あくまで債務者と債権者のあいだで和解と合意が取れたときにのみ成立する手続きなのです。
対して、個人再生は裁判所の認可が下りれば、法律の規定によって強制的に債務を減らすことができます。もちろん債務者には決議に反対する権利はあるものの、過半数の反対が必要です。そのため、よほどのことがない限り個人再生が行われないということはないと考えていいでしょう。
そのため、任意整理が難しいと判断された場合でも、個人再生を試して見る価値は十分にあると言えるでしょう。
任意整理では、原則5年(60回払い)をかけて無理なく返済する形を目指します。
しかし、債務者が高齢である場合、5年間の返済途中で体調を崩して働けなくなるリスクなどを考慮され、貸金業者側が「5年分割」の和解に応じてくれないケースがあります。
そうした場合には、任意整理よりも個人再生の方が現実的な選択肢となります。個人再生の返済期間は「原則3年」と短く、なおかつ年金受給者であっても「定期的かつ安定した収入」とみなされるため、裁判所の認可を得て借金を大幅に減額できる可能性が高くなります。
(※もし将来的に完全に無収入になることが分かっている場合は、個人再生ではなく「自己破産」を検討する必要があります。)
場合によっては、任意整理や個人再生を行う前に、給与や財産の差押さえを受けていることもあるでしょう。そうした場合は、任意整理よりも個人再生の方が適しています。なぜなら、個人再生の開始が決定されると同時に、差押えの手続きが停止されるからです。そのため、給与の差押さえなどを受けているときに個人再生をすれば、給与の差押さえの手続きが中止されます。任意整理の手続きが終わった時点で差押さえられていた分の給料をまとめて受け取ることができます。
さまざまな理由で借金の返済が難しくなった場合は、任意整理もしくは個人再生の手続きを行うことになります。任意整理は債権者と直接交渉して月々の返済額を減らす手続きです。対して、個人再生は裁判所を通した手続きとなります。また、任意整理は3~5年での返済を目指しますが、個人再生での返済期間は原則として3年です。ほかにも、手続きにかかる費用は個人再生のほうが圧倒的に大きい、信用情報機関に掲載される期間も個人再生のほうが長いといったような違いがあります。
任意整理と個人再生のどちらが適しているかは、ケースによって異なります。このサイトでは主に任意整理をしてくれる法律事務所を紹介しているので、任意整理を考えている人はぜひ参考にしてみてください。