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任意整理後の一括返済について

借金を完済して早く精神的安定を得たいと、任意整理後に一括返済を検討する方は少なくありません。しかし、一括返済を行うとクレジットカードが使えず、その後の生活が成立できないなどの問題が発生します。任意整理後の一括返済にはいくつかの注意点があります。

任意整理後でも一括返済は可能

任意整理後でも一括返済は可能であり、以下のメリットがあります。

  • 返済額が減らせる可能性
  • 借金完済により精神的に安定感が得られる

債権者は、債務者が途中で返済不可能になることを懸念し、まとめて一括返済すれば多少の金額を割り引いてもいいと提案する可能性があります。任意整理を行った過程で返済額を削減しているので減額できる数字は大きくありませんが、一括返済を行う事で引き直し計算後元金の7割~9割程度で完済できるかもしれません。

また、任意整理直後は、毎月分割支払いがずっと続くのかと思うと負担に感じるため、まとまったお金が入ると一括返済をして借金完済による精神的安定感を得たいと思うでしょう。

任意整理後に一括返済する注意点

任意整理後に一括返済する注意点は以下の通りです。

ブラックリストからは消えない

任意整理後に一括返済したからといって、自己記録が信用情報から消えるわけではありません。何故なら、任意整理を行った時点でブラックリストに情報が5年間登録されてしまうからです。

そのため、クレジットカードが使用不可になったり、新しくローンを組むことができなくなったりして、常に現金で支払わなければいけない状態になってしまうのでご注意ください。

一括返済後の生活を考える

質素な暮らしを心がけていても、唐突に以下のようなまとまったお金が必要になる時があります。

  • 生活家電製品などを購入
  • 親族の冠婚葬祭
  • 車検やアパートの家賃更新
  • ETCカード支払いなど

一括返済を行うとクレジットカードが使用できないため、常に現金支払いになります。そのため一括返済を検討する際は、上記のような事態に備えて常に数十万円程度の現金を一括返済後に残して、生活できる余裕があるかどうか考えましょう。

債権者平等原則を守る

任意整理後の一括返済を検討する方は、複数の消費金融業者からお金を借りている場合が多いです。しかし、複数の消費金融業者の中から特定の債権者だけに一括返済を行い、他にはしないということはできません。

何故なら、「債権者平等原則」を守る必要があるからです。債権者平等原則とは、一人の債務者に複数債権者がいた場合、どの債権者にも平等に返済しなければいけないことです。

消費者金融業者にゆだねない

お金を借りている人は、返済の事で冷静な判断ができない可能性が高いです。そのため、借金が減額されると言わると十分に検討せずに賃金業者と不利な一括返済に応じてしまうことは少なくありません。

任意整理の一括返済は住宅ローンの一括返済とは異なり、誰でもお金を減額できるわけではないことを知って置き、消費者金融業者のペースに乗って委ねないようにしないようご注意ください。

判断前に弁護士へ相談

一括返済を検討し誤った判断をした場合、その後の生活に見通しが立たなくなるリスクがあります。

本当に一括返済しても問題ないか、現状を客観的に判断してもらうためにも任意整理を依頼した弁護士へ相談することをオススメします。

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