自己破産

自己破産も任意整理も債務整理の方法のひとつです。
ここでは、自己破産の特徴やメリット・デメリットについて、任意整理と比較しながら見ていきましょう。

自己破産と任意整理、
それぞれの特徴

自己破産とは、裁判所を介してすべての借金をゼロにする手続きのこと。
財産は全てお金に換えて債権業者側に渡されるので、一定以上の価値のある財産は手放すことになります。

これに対し、任意整理とは、裁判所を通さず相手側(債権業者)との話し合いによって今後発生するはずの利息や遅延損害金を免除してもらい、月々の返済額を減らす手続きのこと。

任意整理では一部の借金だけを選んで債務整理できますが、自己破産では全ての借金が対象となります。

自己破産と任意整理、
それぞれのメリットは

自己破産の最大のメリットは、すべての借金をゼロにできる点です。
借金総額よりも現在の収入や財産が非常に少なく、その後の返済が不可能と判断された場合に適応となり、督促や取り立てもなくなります。
任意整理や個人再生と異なり、手続き後に借金を返済する必要もないので、借金の苦しみから解放され、人生をやり直すことができます。

これに対して任意整理は、借金の利息を免除してもらい月々の返済額を軽減する手続きなので、借金そのものはなくなりません。手続き後も返済を続けることになります。
ただし、裁判所を介さない手続きのため、状況に応じて一部の借金だけを選ぶことができます。つまり家や車を手元に残せるうえ、保証人に迷惑をかけることもなく債務整理できます。

自己破産と任意整理、それぞれのデメリットは

自己破産も任意整理も、手続き後しばらくは信用情報に事故情報として登録され、その期間は新規でローンやカードの申し込みができなくなります。

しかし自己破産では、持ち家や車を含む財産を失ってしまうという大きなデメリットがあります(20万円以上の財産の管理権限が破産管財人に移行します)。
新たに住宅ローンも組めない上、賃貸契約すらできない場合も。
また、家族が連帯保証人になっている場合には、債務者に代わって家族が借金の取り立てを受ける可能性もあります。

任意整理なら整理する借金を選べるので、ローンが残っている持ち家や車を残せるほか、保証人がいる借金を整理先から除けば保証人に代理請求が行くこともなく、迷惑をかけることがありません。

自己破産に
向く人・向かない人

以上の点から、自己破産に向いている人は、以下のような人です。

  • 今後の返済のめどが全く立たない人
  • 持ち家や車などを持っていない人
  • 保証人付きの借金がない人など

一方で、任意整理に向いているのは、以下のような人です。

  • 借金額がさほど大きくない人
  • 支払いができるだけの収入がある人
  • 手間や労力をかけたくない人
  • 一部の借金だけを債務整理したい人など

自己破産の手続きの流れ

一口に自己破産と言っても、手元に財産があるかないかで手続きの流れが違います。

1.専門家(弁護士・司法書士)への相談、委任

自己破産手続きについて、弁護士に相談・依頼します。

2.債権業者へ受任通知を発送~借金の内容を調査

依頼を受けた弁護士は、各債権業者へ受任通知を送って借金の内容を調査します。
借金の総額を計算し、同時に財産の状況を確認。
取引履歴をもとに過払い金があるかどうかもチェックし、過払い金がある場合には過払い金請求を行います。

その間に、依頼者は必要になる書類や資料を集めます。

3.申立書の作成・裁判所へ申立

必要書類が揃ったら、裁判所に自己破産の申し立てをします。
書類に不備があった場合は不足書類を追加で提出します。

4.破産審尋、破産手続き開始決定

自己破産に至った原因、支払い不能になった状況などが分かりづらい場合は、裁判所にてヒアリングが行われます(通常はありません)。
裁判所で書類の審査が行われ、債務者に財産がない場合はここで審査が終了となります。ある場合は破産管財人が債務や財産の状況などを確認します。

5.破産手続開始決定

破産廃止決定から約2ヶ月後に、借金をなくすための「免責手続き」が開始されます。
この手続きが終わって初めて借金の支払義務が停止します。

6.免責許可決定の確定、復権

裁判所の免責許可決定から約4週間後、自己破産が行われ、借金がゼロになります。

より手間の少ない
「任意整理」も選択肢に

自己破産を行うには、非常に多くの書類が必要です。資料が足りない場合は自己破産できない可能性もあります。
また、裁判所や管財人とのやりとりにも対応しなくてはなりません。

自己破産は「借金をゼロにできる」という点では魅力的な手続きですが、全ての借金がゼロになるわけではなく、株・FX取引やギャンブル、ショッピング、その他浪費で作った借金には基本的に適用されません。さらに書類を揃える手間がかかる・手続きに時間がかかる・新規の借入ができなくなる・財産を失うなどのデメリットも多くあります。

減額後の毎月の返済額を支払う能力があるのなら、デメリットの少ない任意整理をおすすめします。

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